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 まえがき


この冊子は、これまで座右の銘として、機会ある度に自分に言い聞かせてきたこと、卒業時の別れの言葉、また、くじけそうになった学生に励ましの言葉として贈った言葉をまとめたものである。いつの間にやら、たくさんの色紙ができた。今更ながら時間の経過に驚いている。


思い返してみると、筆を持ち始めたきっかけは、子供が幼稚園の頃、狭い官舎に住んでいた関係で、つい襖が破れ、その穴うめに紙をはり、ちょっといたずら書きしていたことであった。


紙に書き留めた言葉が、本当に実現したり、書いた言葉が人にたいへん喜ばれたりしたことが不思議であった。心にあることを、一度書き留めておくことは大事だと思い、それ以来続ける様になった。


字の読み方や意味を尋ねられることがしばしばある。しかし、私は文句こそ違え、真意は皆同じであると答えて笑うのである。くどく聞かれた場合は、「字は下手でも書いていると上手になるということだ」と説明し、もう一言つけ加える。「何事も始める事がまず大事である。始めなければ進歩がない」。ここまで言うと、私もやってみよう、僕もやってみよう、私も出来るようになるかも知れない、とほほえんでくれるようになる。


これらの短い言葉は、これまでの道のりで拾ってきたものである。本文の内容には、重複したものもある。それは、より重要な部分と考えて書いた。出来れば、周りの人達にもお伝えいただき、ご批判いただける様お願いしたい。


構成は以下の通りである。


第一章:トレーニング

第二章:感性と身体づくり

第三章:人を育てる


日頃は「何を言っているのや?」と思われた事も、これを読み終えればご理解いただけるものと信じております。


西藤 宏司