「宏峯への道」目次へ戻る

 あとがき


初版は、一九九八年。以来、読後感を拝読し表現の難しさを学ばせて頂き、やっと改訂の日をみた。 人は、誰でも素晴しい「発想」や「閃き」の瞬間を体験する。しかし、ふとした瞬間に忘れる。僅かな事でも思い出す事ができずに悔しい思いをした。


そのとき以来、絶対に忘れまいとメモ用紙を持ち歩いた。多忙な時や苦しんでいる時にこそ素晴らしい「閃き・発想」が生まれる。この事から、閃きの瞬間には、素早く内容を短文で的確にメモを書かねばならない。


言葉の表現については、度重なる失敗をしたが、恥ずかしさ捨て自分の信ずる決断で続けた。その評価は、この冊子の半ページに毛筆で書いた「宏峯の書」である。当時の筆使では納得の書である。実際に、何回考え、繰返し挑戦したか自問してみるが答はない。このように、日々、初心を忘れずにコツコツ書き貯めた事は、人生の貴重な財産となった。メモの中には、先輩の置き忘れたものもある。我が人生の実体験で得た総合力の結晶を活用して整理する際の編集には、大いに役立った事を改めて伝えて置きたい。


人は、誰でも顔が違う様に其々、日々の過し方も違う。自分の道を開こうと努力する人生は素晴らしい事である。自分の歩んで来た人生路で獲得した貴重なメモを人生の節目に「自分の歴史」として残される事は、財産となるものと確信します。いつの日か、諸君の歩まれた足跡出版された折には、是非、拝読させて頂く事を楽しみに期待して居ります。


末筆ながら、出版に際しご協力・ご支援頂きました諸氏に心より厚く御礼申し上げます。



二〇二一年十月二十六日 

西藤 宏司