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 1-12 目標達成の基盤


試合で目標とする成果をあげるには、先ず「目標を達成しよう」と自分の意欲を高めることである。次に目標を達成するための計画(企画)を立案することである。


いつも試合で勝てるとは限らない。しかし、チャンスは少なくても三回はある。年間テストが三回あると仮定すればよい。例えば、登山でも一回で高い山頂へは到達できない。低い山、目標に近い高さの山と幾度かの経験が積み重ねられ、これらの実践と反省から得た、いろいろなデーターをもとに最終目標に向かって頑張ることである。


各々の試合に臨んでは、試合の条件を冷静に考えること、身体的条件だけでなく、今、自分の身体がどれぐらいの状態であるのか。何が足りないのか。何がどれぐらい出来るのかを考え、検討することが大切である。


さらに、調整段階での練習は、試合時間に合わせて行うことが理想である。学生ならば、授業の関係で無理なことも多いであろうが、理想の練習条件に近づけるにはどうするべきかを考えることが大切である。また、起きてから何時間あれば、身体がベストに近い状態になるかということも練習の段階で確認をしておかなくてはならない。疲れている時は、五・六時間を要するが、普通は(ベテラン選手なら)最低四時間あれば大丈夫であると考えられる。


試合運びについての課題も練習の状況からまとめることである。課題は出来るだけ一つに絞り、多くても二つまでにするのが良いであろう。そして、周囲の環境条件の変化に動揺しないよう、事前に雨・風・気温について、いくつかの場合を想定して対策を練ることである。


また、特に重要となるのは「睡眠」である。寝るときの空調が良くないと、コンディションを乱すことになる。さらに遠征時には宿泊、食事の問題を解決するために前もって宿舎の下見をすることが望ましいが、実際には難しい問題である。


日常においては、よく食べ、計画的に練習して、よく寝る。この三つのリズムをみださないことが目標達成の基盤となることは言うまでもない。