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 1-15 水出し「バイオ茶」


昭和五〇年頃の学園周辺は、建設途上で重機の往来で関東ローム層の塵埃が蔓延し運動環境には不向きだった。特に大学の水道水が悪く、練習時の水分補給に悩んでいた折、偶然、宮崎県産「水出しバイオ茶」の珍しい記事を読んだ。


「お茶」は古来より、湯を沸かして飲む固定観念があったので信じられなかった。


「水出しバイオ茶」の特典は次の三項目だった。


  • 一. 栽培に農薬は、一切使用せず、自然の中で植物本来の力のみで育てている。
  • 二. 飲む前に三〇分程度、水に浸すだけで飲む事ができる。
  • 三. 飲んだ後味がさっぱりし飲み易い。

未だ納得出来ないので急いで取り寄せ試飲してみると冷たくて気持ちよく飲め、身体がキリッとする感じを実感。次に、大学の選手やビニールハウス内でよく汗をかく人にも試飲を頼んだ。その結果、全員「大変飲み易くて、美味しい」と回答。


改めて「水出しバイオ茶」が、発汗後の補水に有効であると再確認できた。


宮崎の地元、旭化成の長距離界は、オリンピック大会で宗茂、宗猛、谷口浩美選手等活躍している。この背景には、想像に絶する程の過激な練習にある。その過程で培われた実体験を基盤とする実践的研究等から発案され、実証された産物である。


暫くして「上水 漸」社長から訪問の機会を頂き、先代から今日に至るまでの苦闘の歴史「上水 漸様の祖父上様の出兵の際、廃園する事になったが母上様が再起の執念で復活された秘話」を拝聴した。まさに「この商品に、この家族有り」である。上水家の家伝に光明を実感。以来、水出しバイオ茶は、私の宝物として愛飲させて頂き親交を深めている。


『朗報』
米国、二〇二〇年、「アカデミー賞授賞式」式典会場のドリンク部門に上水園の「水出しバイオ茶」が、スイーツ部門に「粉末抹茶サッサッ」が採用。「日本茶」は初採用である。