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 2-1 身体に良い水とは


一般に、人間の身体の組織は六○%が、また脳の九○%が水分であると言われている。


水の良否の見分け方は、まず飲んでみれば分かる。においが無く飲みやすい水が良く、臭くて飲みにくい水が悪い水である。また、良い水に切り花をさすと花の命が長く、悪い水の場合には花の命が短いといわれている。さらに凍らせてみると、良い水は解けにくく、悪い水は解けやすい。氷の結晶をみると明らかによく解る。良い水は、水の分子(クラスターと呼ばれている)が細かく、悪い水は粗いといえる。細かいと細胞膜を早く透過するために腹に溜まらず体内に浸透していく。逆に粗いと体内に浸透しにくいため腹に溜まりやすい。酒も暖めて飲むと健康に良いといわれているのは、水の分子が小さくなるからだ。良い酒ほどいくら飲んでも腹に溜まらず、吸収される。このため、良いお酒は水の良い場所で造られている。


水は放置すると分子が大きく固まろうとする性質がある。もう一つ水について大事なことは、光をあてると雑菌が繁殖しやすいということである。良い水は地球の深層部に流れ、地下水は深層までろ過されることにより出来る。深層部には光がなく、暗い所にあるのである。これらの性質を考慮して、水を置く場所や、水を保存する容器が工夫されている。


昔から日本では、良い水が出るところに人が集まり集落をつくった。水のおいしい所においしい料理や酒などが出来たのである。良い水は、人体だけでなく植物にもきれいな花を咲かせ人々に素晴らしい感性を育てる。これらのことから良い水の沸き流れ出るところに、また、人の道も育ったようだ。