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 2-6 根菜について


野菜の中で根の部分を食べるもの、また、一部は、茎の部分を食べるものをいっさい含めて根菜といわれている。代表的なものは、大根、かぶら、人参、蓮根、ねぎ、玉ねぎ、にんにくなどである。


これらの作物は地面の有機エネルギーをすべて吸収したものである。特に良質の水のあるところに育ったものは格別おいしいとされている。


地面の中には、多くの物質が混ざって存在している。根菜は、そのエキスを植物の持つ細胞の半透過性膜の性質によって人体に有益なるものだけを選択して貯蔵・蓄積したものである。料理法は切り刻むよりも、摺って、即ち、根の細胞を一つ一つ砕いて、出てきた水と一緒にすぐ食べることが最も良いとされている。摺った後、放置すると味はもちろん、栄養やエキスの効用も減退すると云われている。このことは、地面より汲み上げられた水が、光・空気と接するため化学変化を起こすものと思われる。地下にあるときの条件が変わることと理解されよう。水の性質とよくにていることから、あまり熱を加えることは良くない。しかし、少し古いものについてはこの限りではない。この場合は、大切に煮ることが大事である。


焼き魚と大根おろし、蓮根、小いも、人参、いもの煮転がし等は大好物であるが、特筆すべきは「西藤式」朝食である。これは、大根おろしにすり山椒の実、唐がらし、小じゃこ(いりこ)を混ぜて食べるものである。急いでいるときには、熱い飯の上にかける。この他に、干物、玉子、鰹だしの味噌汁(油揚げ、豆腐入り)、漬け物に飯二杯以上は食べている。


汚れた土の中から身体に良いものを吸い上げてくれた素晴らしい朝食の大根は、私の元気の秘訣であり、大変感謝している。感謝と敬意を表して「大根さん」と呼ばせてもらっている。