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 2-9 卵


卵は、食生活の中で欠かすことのできない食品の一つである。動物の子供が育つためのバランスのとれた栄養素がたくさん含まれている、また、消化吸収がよいことからもそのように言われている。


種類は、魚類(タラコ、キャビア、スジコ)、ヘビ、カメ、ハトからダチョウ等、小さいものから大きなものまで沢山ある。


食べかたは、様々であるが、一番簡単なのは鶏の卵をそのまま食べる。生まれるのを待って、卵が落とされたら、すぐに飲んでいる爺さんが、九十歳を越えても、元気でおられたのをテレビで見たことがある。また、ウコウケイという一個五百円もする特別な卵が四国ではとぶように売れている。今更ながら卵の価値を再認識している。注意すべきは、卵と鶏肉、マヨネーズ等は同質の蛋白質なので、これらばかり食べては、栄養のバランスを崩すことになる。実際、力が出なくなった経験がある。


調理法は、生卵をそのまま焼く方法が一般的だが、蛋白質であることから余り熱を加え過ぎない方がよいと思う。一回飲んだことがあるが、ウコウケイの卵を一週間から十週間「酢」に漬けて飲むと身体のためによい。科学的な検証は未だされていないが、効用がある。私は、卵そのものがよいのでなく、その新鮮な卵の殻が「酢」にとけるとき、新しい何かが生まれるのであるように想像している。事実の解明は、まだまだ今後の課題である。


一日、六〜十個は食べていた時代があった。今では、毎日二個(すき焼きのときは多くなるが)、決めて朝食に食べている。すべての可能性を秘めた卵や、おいしいものを朝食に食べることは、一日有意義に過ごすための生き方の手本である。早く起きておいしいものをおいしくいただくことは素晴らしいことだ。