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 2-16 健康なる胃袋は最高の調味料である


この言葉は、学生時代の下宿の食堂の壁にかいておいたものである。自炊生活は、貧しいものの集まりであった。日頃は、「今は、どんなに貧しいものを食っていてもいい。その代わり、卒業したらうまいものを腹一杯食べよう。そのためには、今、しっかり頑張らんといかん!!」いつも自分の心に言い聞かせた。この言葉は座って丁度見える目の高さの所に書いていたのである。


後輩達が下宿に遊びに来たときなど、この言葉を読んでくれたことを思い出す。そして、よく覚えてくれていたことも嬉しかった。この言葉は読んで字のごとくなのだが、本意は、「今、頑張れ!」と読んで欲しかったのである。身体を鍛えておけば、また、腹が減っていればなんでもおいしく食べられる。まず、身体を鍛えよ!、今、頑張れ!!おいしく食べられることは、まず第一である。何でも考え方次第である。体調の良否は胃の調子でわかった。おいしく食べると体調も良くなり、また、体調が良いときは胃の調子も良かった。おいしく食べるためには、身体を鍛えることの他に仲間の楽しい活動や試合の朗報をきくことであることがわかった。


私は自分でおいしく食べる方法を考えて自炊し、栄養学の勉強もやった。もっと料理の腕を磨き、おいしい料理をつくろう、そして、競技で芽がでなければ料理人としてオリンピックに同行したいと考えたこともあった。


胃の病気の予防法としては、胃袋内の粘膜を乾燥させないように気を付けることが大事である。また、長時間立っていると血流が悪くなるので、寝転がり、背中を暖めることである。


人生は食べることから始まっている。楽しく、おいしく食べることで、苦労した話も懐かしくなり、酒の一品となりうる。