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 3-1 一生新人であれ!


「誰でもはじめは素人である」この言葉は私の座右の銘の一つである。今日まで事ある度に話したり、書いたことを思いだし、酒のサカナにしたこともある。


何か事をはじめるとき、心の中でこの言葉をつぶやくと何となく落ち付くのである。それは誰でも自分の内心を素直にさらけ出せない恥ずかしい心が内在しているからである。例えば、字を書くとき、まず「失敗したら」とか「恥ずかしい」と思うのである。しかし、私もはじめは下手であったのだが、書いていて上達したのである。何事も始めないと進歩はない!ことが解ったのである。


素晴らしい「字」に出会ったら、その人はどれだけの時間、何回繰り返し、どれだけ真心を込めて書いたかについて想像・検討することが大事である。誰でも一歩一歩階段を踏みしめて登って来たのだと思う。その人達は、人として、常に今日から始めるのだという新人である心を持ち備えているのだ。はじめから上手な人はいないことを早く気づくことである。


陸上競技部も一年生を新人、社会人でも一年目は新人と呼ばれている。二年目は呼ばれないが、本当は二年目も「二年目の新人」なのである。先生も生徒も、コーチも監督も。係長も課長も、父ちゃんも母ちゃんもみんな毎日新人。すべて人は「一生新人」である。すべて何事も、まず始めよ。始めないと後退するぞと読んでほしい。そして何か心に残れば、素晴らしいことだと思う。是非、恥ずかしがらずに堂々とした、日本一の新人でいてほしいと願う。そうすれば、又、新人同志で一緒に話し合うことも可能である。毎日新しい気持ちでいることが大切である。決して高ぶるなかれ!