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 3-14 ちょっとしたことを大事に −練習では気を抜くな−


一般に試合前、競技の調子がよいと体調も良くなるが、ちょっと悪いと体調もすぐれない。こんな日々が続くと不安も積もり、結局、戦わずして負けることになる。こんな時、まず胃の調子が悪くなり食欲も減退する。食べないから身体に元気が出ない。そしてストレスもたまるという悪循環が起こってくる。これは、胃薬を飲めばすぐ食欲も出るのでよくなる。ちょっとしたことが大切なのだ。こういうときは食事の内容も、油系統の食品を避け、豆、豆腐、納豆、焼き魚、小魚、煮魚、刺身、梅干し等の食品を選んで食べる。生野菜は避け、ちょっと湯に通すと良い。ビタミン錠剤で補給しても良い。もちろん、飯でなく、おじや、もち、うどん等もよい。大事なのは、これらの中から自分の好きなものを選ぶことである。


試合の前に体調を崩しても、すべてをあきらめてはならない。そんな時こそ、体調を崩した状態での、自分にあったコンディショニングを行うことが大切である。決して欲をかかずに、自分の最低の力を知るチャンスだと思って、冷静に受けとめて目標を設定することである。そして、このようになったのは「何故か?」と深く反省し、今後はどうあるべきか「どのような生活をするべきか?」について検討することも大事である。


昔から謂われることなのだが、「線香花火」で遊ぶのはあまり危険もなく、いつでもすぐにできる。しかし、「大砲」を撃つのは、火薬をつめることがむづかしく、時間・危険を要する。このことは、練習と試合の関係に置き換えて考えることができる。練習に時間をかけ、緊張感のある生活を心掛ければ、試合の成果も大砲の破壊力の如く大きい。しかし、その反対は推して知るべしである。火薬を詰める時のように、集中して順序よく詰めていかないと成功しない。わずかの失敗(ミス)でも体調を悪くする。このことは、練習だけでなく、すべての修行についていえることである。練習では気を抜くな!