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 3-15 持て!誇りを!


筑波大学は、研究と教育の二つの柱を目標として掲げている。正課と課外だ。特に他の大学と異なるのは課外活動。例えば春秋の二回のスポーツデーでは、@授業は休業、A全学あげての開催、B江崎玲於奈学長自らが大会会長をつとめる等、力を入れているのがよくわかる。この行事では、全学のコミュニケーションの場として教職員も学生も全て参加できるようになっている。これは、日頃錬磨した成果を発表し、鍛えた技を披露する場となる。また体育以外の文化系・芸術系サークルの発表の場には、学園祭等がある。


さて、陸上競技を例に挙げると、体育専門学群生の正課では、運動学・陸上競技方法論の中で「陸上競技」とは何かを学んでいる。これは、高校とあまり変わらぬ基礎的な内容である。違いといえば、タータン施設でスパイクを着用して走ることくらいであるあろう。言うまでもなく、陸上競技の方法の一から十までを教えるのは限られた時間の中では無理だ。試合を総括的授業として行うこともまた到底できない。したがって正課ではできない事柄について課外で行うことが要求される。時間が許す限り、陸上競技の他の種目も all round にこなせるようにするべきだ。また、人間としての生きる道をも学ぶ場であってほしい。


課外は、正課の延長であるはずである。したがって教官もまた奉仕ではなく、授業研究の一環として当然やらないといけない。また、学生に正課以外の世界を設けることで、正課では十分に受け止めきれなかった多様な個性の受け皿となりうる。


ここで大事なことは、技能だけでなく、学ぶ者の態度、教える者の態度も合わせて要求されているということなのだ。真心を込めて学び、自信と誇りを持て!体育とともに他の科目についても同様に真摯にプライドを持って学んでほしい。そうすれば卒業後も大学で学んだことを活かしていける筈である。