紫峰道場宏峯塾-kouhou juku-

紹介者:村木 征人(体育科学系)

本学体育科学系教授の西藤宏司氏による「スポーツと書」と題した個展が,12月1日(火)〜4日(金)の期間で筑波大学・大学会館別館ホールにて開かれます。

 同氏は体育センターでの共通体育および公開講座でのゴルフ,体育専門学群での陸上競技方法論を長年担当されています。また,体育会 陸上競技部では,本学就任(1975)以来,コーチ,監督,部長を歴任されて,厳しくもユニークな指導法には定評があり,投擲競技のコーチングでは来学以前の中京大学時代を含め,日本を代表する傑出したスロワーを多数の輩出されています。


 今回,初めて開催される「スポーツと書」と題した同氏の個展は,手作りの案内状にも「日頃の(競技指導の)厳しさの中で学んだ,静けさの集積を発表の機会を得ました」とある様に,随所に競技者の指導(Coaching)と育成の真髄がその書に込められています。
 昨春,還暦を迎えられた際に自費出版された,氏の書集『宏峯への道』の中にある「まえがき」をご紹介にかえせていただきます。


まえがき

この冊子は,これまで座右の銘として,機会ある度に自分に言い聞かせてきたこと,卒業時の別れの言葉,また,挫けそうになった学生に励ましの言葉として贈った言葉をまとめたものである。いつの間にやら,たくさんの色紙ができた。今更ながら時間の経緯に驚いている。
 思い返して見ると,筆を持ち始めたきっかけは,子供が幼稚園の頃,狭い官舎に住んでいた関係で,つい襖が破れ,その穴埋めに紙を張り,ちょっといたずら書きしていたことであった。
 紙に書き留めた言葉が,本当に実現したり,書いた言葉が人にたいへん喜ばれたりしたことが不思議であった。心にあることを,一度書き留めておくことは大事だと思い,それ以来続けるようになった。
 字の読み方や,意味を尋ねられることがしばしばある。しかし,私は文句こそ違え,真意は皆同じであると答えて笑うのである。くどく聞かれた場合は,「字は下手でも書いていると上手になるということだ」と説明し,もう一言つけ加える。「何事も始めることがまず大事である。始めなければ進歩がない」。ここまで言うと,私もやって見よう,僕もやってみよう,私も出きるようになるかも知れない,とほほえんでくれるようになる。
 これらの短い言葉は,これまでの道のりで拾ってきたものである。本文の内容には,重複したものもある。それは,より重要な部分と考えて書いた。出きれば,周りの人たちにもお伝えいただき,ご批判頂けるようお願いしたい。


 構成は以下の通りである。

第一章・・トレーニング
第二章・・感性と身体づくり
第三章・・人を育てる


 当時は「何を言っているのや?」と思われた事も,これを読み終えればご理解いただけるものと信じております。


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