紫峰道場宏峯塾-kouhou juku-

ゴルフ指導者教本
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発刊に寄せて

本書は,筑波大学の公開講座「大学体育教員実技研修会」の
ゴルフ部門に参加された諸先生方の熱意の集積です.

歴史的な経過を見ますと,昭和50年当初,わが国の教育の現場では,
ゴルフに関する本格的な取り組みは見られませんでした.
とくに初心者指導については,
プロやゴルフ経験者が,ごく短時間で集中的に打撃場でボールを打たせ,
すぐにコースをラウンドするといったその場限りの内容のものがほとんどでした.

そんな折,学校体育の中にも本格的にゴルフを取り上げようという気運が高まってきました.
しかし,そのような現状から,授業として指導に関わった経験者がほとんど見あたらず,
段階を踏んだ,本格的な初心者の指導法も確立されていませんでした.

そこで,ゴルフ指導に関する意見を交換し,
指導法のさらなる開発・研究を目指す主旨で,この研修会が発足したのです.


年々,研修会の活動も活発化し,これまで,
昭和52年から平成4年までの間に約200校,のべ450名の参加者を得て,
初心者の実技指導のありかたについて,繰り返し討議がなされてきました.

参加者層も,大学や高校の教員にとどまらず,
時には,プロゴルフ協会のご協力により,
斉藤真之祐,松井 功,勝又敏男の諸氏を始めとした,
プロゴルファーの方々やゴルフ場関係者の参加をいただき,
各方面からの意見がだされて,一応の方向付けが提示されました.

その後,研修会の成果の現場へのフィードバックを重視するため,
一時休止のやむなきを得ることとなりましたが,
その一方で,教育の現場においては,
大学はもちろん高校・中学にも体育の中にゴルフを取り入れようという
動きがでてきました.

そんな中,修了者が現場での実践報告の機会を得た際に,
再度「ゴルフの初心者指導」について意見交換があり,
会の必要性が再認識されるに至りました.

そこで,これまでの実践と研究によって得られた知識を軸に,
研修会の活動を再開することになりました.

このような経緯を経て,まず,活動再開後第一のテーマとして,
初心者指導者教本を作成することで,知識の整理・修正を行うとともに,
指導現場へ貢献しようという運びになったのです.

具体的な内容としては,実技の方法のみならず,
ゴルフに関する最低限の知識もとりいれたものにしました.


昨今日本では学校教育の見直しによって,カリキュラムの再検討が行われています.
この中でゴルフは大学だけでなく,高校,中学の教材として,
さらに,国民体育大会にも正式種目として取り入れられ,
正課,課外両面で注目されています.

学校体育の今後は,従来の単に汗を流す気分転換の体育教材ではなく,
身体のメカニズムや健康の保持・増進の方法などの理解を進めながら,
マナーやエチケットを身に付け,
人格形成に貢献する教材としてのゴルフが誕生することを期待しています.

本書は,これらのことを充分考慮したうえで作成されたものであり,
今後修正を加えながら,さらによいものにしていく所存です.

末筆ながら,執筆に当たり,ご協力いただいた方々に心から御礼申し上げます.

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